ベトナム一人旅にいくことを会社の同僚達に話したところ,「ベトナム料理は美味しいよ」という話をしてくれた。近所にベトナム料理店は無く、本場での初体験になる。本当に美味しいのだろうか。どうも東南アジアの料理は辛い。もしくは匂いがきついイメージがあり、その理由で特にタイ料理は好き嫌いの意見が分かれる。しかし,ベトナム料理に限っては同僚や友人が口を揃えて「美味い」と言う。自分も美味いと思うのだろうか・・・
ホーチミンの1区と呼ばれる繁華街にあるホテルにチェックインし,早速街をぶらぶらし始める。時刻は15時。少し小腹が減ったので地元の人たちが利用している小さなレストランに。メニューを見るとフォーと呼ばれる米麺のラーメンみたいなものを注文。具材としては何らかの肉とネギ。スープは茶色で一見,日本の醤油ラーメンにも見える。スープを一口飲んだところ・・・普通に美味い。日本の醤油ラーメンよりは薄味ではあるが,スープ自体に旨みがある。昔,小学校の給食で食べたような懐かしい味がした。なんとも馴染み深い味。この秘密は何だろうか?帰国後,調べてみることに。
ベトナムは地図で見ても分かる通り,広く海に面した国である。そのため海洋資源に恵まれており,魚はもちろんのこと塩も豊富に採取できる。そして,陸続きとなる中国からあらゆる知識が入りやすく,発酵技術もその一つである。日本も豊富な塩資源があり中国から発酵技術を学んできた。日本の場合,気候的に大豆が育ちやすく,それを原料とした味噌,大豆醤油が日本食のベースとなった。一方ベトナムは,豊富に採れる魚を原料として発酵させた魚醤を使用する食文化が広まった。日本でも「ヌクマム」という名称でベトナム産の魚醤を購入することができる。
大豆醤油や魚醤は,ともにタンパク質を発酵したものであり,我々が感じる「旨み」はよく似たものになる。ベトナムの魚醤は多くの料理に調味料として使用されている。ベトナム料理として人気のあるバインミーやヌクマムも例外ではない。日本人として馴染み深い調味料がベトナム料理に使用されるため,多くの日本人は「美味しい」と思うのだろう。
今回の旅でベトナム料理が一気に好きになってしまった。本当に何を食べても美味い。近所にベトナム料理店ができないだろうか・・・。
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