2025年のゴールデンウィークを利用して、ベトナムの1人旅を決行。関西空港からタンソンニャット国際空港へ。ベトナムは初上陸なので色々と発見できることが楽しみ。
タンソンニャット空港に到着後、イミグレを通過して外に出たとき、初上陸の自分にとっては信じ難い光景が・・・
空港出口に集まるベトナム人の人・人・人。100人以上の人たちが空港出口に顔を向けて佇んでる。日本では見たことない光景。何の集まりか気になったので近くにいたベトナム人と思われる方に聞いたところ、「父親が今日、6ヶ月ぶりに帰ってくるので、家族と一緒にここで待っている」「他の人達もみんなそれぞれの家族が到着するのをここで待ってるんだよ」と教えてくれた。ベトナム人はなんて家族思いなのだろうか!と感心したとともに、ここまで家族思いになる理由は何なのか?と疑問が湧いた。この理由を知りたく、帰国後、ベトナムの歴史を学んで自分なりに考察してみた。
ベトナムの主要民族はキン人であり,ベトナム語を公用語としている。中国と陸続きの地形上,古くから中国文化の影響を受けてきた。特に孔子が広めた儒教が国を統制する官僚をはじめ,一般のベトナム人にも教養として受け入れられてきた。儒教は道徳や論理を中心に社会の調和を目指しており,特に家族道徳・家族の在り方について詳細な教えを提示している。儒教の発祥地は中国であるが,香木など豊富な森林資源,海洋資源に恵まれたベトナムには中国からの移民も多く、中国人を通じて儒教の教えが広まり,地元の人々に根付いた国である。中国も家族・親族を何よりも大事にする国であり、余談であるが私の友人の奥さん(中国人)は家族はもちろん,祖父,母の誕生日でも,その日は必ず中国に戻ると言っていた。日本では想像できないくらい家族の絆が強い。これらは儒教の教えが強く影響しており,ベトナムも例外ではない。
一方,儒教発祥の中国では家族の絆が強いものの,ベトナムのように多くの家族が揃って空港に出迎えにいく習慣はない。ベトナムは儒教以外にも家族の絆を深める理由がありそうだ。
ベトナムは古くから欧米列強国やアジア別国からの侵略・植民地化を受けてきた。日本も例外ではなく太平洋戦争時代に侵略し,2000万人以上のベトナム人が犠牲となっている。他国からの侵略を受けるたびに自由と独立を目指して団結し多くの犠牲者を出しながらも1949年にベトナム共和国として独立を果たしている。ベトナムの国旗はそのほとんどが赤色を呈している。その赤色は独立のために地元人が流した血を象徴しており、国旗の中心に配置された星は独立を夢みる希望の光を示すと言われている。
長い年月の中でベトナム人の心に刻まれた団結心が,今もなお後世に引き継がれ、家族の絆を生み出し,久々に会える尊い人を家族揃って出迎える行動につながっているのではないだろうか。
ベトナムの歴史書を読んで得た結論が以上となる。全くの検討外れかもしれないが,日本人である自分には想像できない価値観がベトナム人には根付いているように思う。
参考文献
日本人が知らないベトナムの真実 出版:扶桑社 著者:川島博之
一冊でわかるベトナム史 出版:河出書房新社 著者:岡田雅司
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